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AI というテクノロジーを現場 SaaS でどう実現するか 〜AI チームのアプリケーションエンジニアに話を聞いてみた〜

AI というテクノロジーを現場 SaaS でどう実現するか、 UX の最適化をどう実現するか。写真のようなエンターテイナーかつ全力で仕事に取り組む若手アプリケーションエンジニアの kawariku さんと ken さんのお二人にインタビューをしてみました。

お二人の紹介と働き方

ーー 本日はインタビューよろしくお願いします!まずはお二人の略歴を教えてください。

kawariku:情報系の大学を2年で中退して、株式会社ゆめみという受託会社に2年勤めて、昨年11月にカミナシに入社しそのまま現AIチームにjoinしました。

kawarikuさん

ken:大学で情報系の専攻で、暗号学研究をしながら働いています。開発は大学の1年からインターンをして取り組んできました。

kenさん

AI を使ったアプリケーションの開発は大学2年ぐらいからで、AIチームで一緒に働く松葉と知り合い StatHack 社に入った後、カミナシとの M&A でカミナシにジョインしました。

▼StatHackのカミナシ合流の経緯はこちら

ーー きっかけは M&A という感じですね。ken さん的にカミナシに M&A でジョインしようと決めた理由はどんなところだったのですか?

ken:はい、私は工場訪問をいっぱいしてきた経験があります。カミナシのバリューの「現場ドリブン」に共感したというのと、カミナシは「カミナシ レポート」という現場で広く利用されているプロダクトがあり多くの顧客がいて、StatHack の時よりもっといろんな顧客に価値を届けられるのがいいなと思いました。

ーー kawariku さんが入社されたきっかけはどういったものですか?

kawariku:前職はいい会社だったのですが、事業会社で、もっと自分でオーナーシップをもって開発ができる環境にチャレンジしたいと考えて転職を考え始めました。

転職活動を開始し、カミナシの選考を進めていく上でいただく言葉がいいなと感じたことがあります。

お会いしたCEO諸岡さんの「人生の代表作を作ろう」という言葉や、AIチームの井上さんの「愛する世界が広がる」という言葉、バリューにある「現場ドリブン」という言葉、感じてた色んな課題に刺さったな〜と思ったのがきっかけです。

ビジネスや市場がどうとかまだわからなかったですが、しっくりきたと感じました。

ーー お二人どちらも熱いですね!そんなお二人はどんな働き方をされていますか?出社頻度やどういう環境で作業されてますか?

ken:基本的に家で開発をしていて、週一ぐらいの頻度でオフラインで社員と会ったりしてますね。

kawariku:自分は結構きっちり 9 時 〜18 時ぐらいという感じにして働いてます。日によっては 10 時とか少し遅い時もあります。

出社頻度は月 1 か 2 回ぐらいで現場訪問も 1、2 回ぐらいですね。大阪に住んでいるんですが、あ、そうそうこれ読まれている方にお伝えしたいのが、「強制で出社しないといけないわけではないよ」というのをお伝えしたいですね(笑)。

※ 補足
カミナシでは、出社とリモートワークのハイブリッド型ワークスタイルを採用しています。エンジニアリング組織は年2回の All Hands Meeting という全社総会を除いて決められた出社レギュレーションはなく、必要に応じて不定期に出社しています(出社レギュレーションは職種ごとに異なります)。

ーー エンジニアはデスク環境にこだわり色々あったりしますよね。

kawariku:僕も同じく家で開発しているんですが、一応高い椅子だったりスタンディングデスクを持っているんですが、ダイニングテーブルとかリビングの椅子とかで作業しちゃうことがありますね。

ken:めっちゃわかります、なんか集中できたりしますよね(笑)。

kawariku:はい、家族に聞こえないようにミーティング中は移動します(笑)。

カミナシの新規事業での開発

ーー 作業のすり合わせとかミーティングを不定期でやられている感じにお見受けしているんですが、どういうミーティングが多かったりしますか?

ken:設計から開発の流れなんですが、僕らのチームは設計の時は Slack の huddle を使って相談しながら行っています。逆に開発の時はそれぞれが黙々と作業しています。これが良いのか悪いのか、という感じもするんですが、みんなできるでしょという感覚で成り立っている感はあって、ある程度エンジニアリングを経験しているメンバーで構成されているチームだから成り立っているスタイルかもしれないですね。

kawriku:ken さんおっしゃったように設計やデータベースのモデリングの時とか自分一人では意思決定できない時に相談をして、開発が始まるとソロ活動です。

あと関連してなんですが、カミナシにはコアタイムがあるのが素晴らしいなと思いました。というのは、フルフレックスでリモートだと、個人的には話しかけにくさが少しあって、いるかいないか分からないので気を遣ってしまうんですね。今メンションしても返事が返ってこないかな、とか。意外とコアタイムがあるおかげで今話せますよねという感じで話しかけやすいんだなという気づきがありました。

設計以外だと「こうしました」「こうなりました」というコミュニケーションで通じ合えて、それぞれが背中を任せている感じでやりやすいです。

ーー AI に関係した事業を新規開発しているんですよね。どういうサービスかは言えないと思いますが、AI とどう関わる仕事なのでしょうか。

ken:はい、大きく 2 つあって、一つ目が AI を育てるというものです。

AI は最初あまり賢くなくて、学習がまだできないだとか、早く学習できるようにするだとか、そのためのバッチ処理を準備して、学習が必要なタイミングで裏で学習できるようにするという仕事があります。早く AI を育てるための仕事です。

二つ目が AI の結果を人間によく見せて、人間に溶け込ませると言いますが、要は UX の部分で、AI とユーザーが関わる体験をよくし、結果をこう表現してあげるとわかりやすくなるよな、とか音や絵を使うとか。そういうものを作るのが僕たちの仕事になります。

kawariku:自分は特にフロントエンド開発をメインでやっているので、UX の部分が中心になります。あくまでシステムとしてシームレスに AI にユーザーが触れるようにするのを意識しています。

ただ今日もチームで話しましたよね。全く AI がシステムに存在しない空気にするよりは、近未来感というか、ワクワクする見せ方みたいなのも考えたいですね。

ー こだわりの部分ですよね。ただ、新規事業なので高速にスクラップアンドビルドする必要がありますよね。そこでインフラやアーキテクチャといった部分に工夫などはありますか?

ken:プロトタイプを作っては変更しというのを何度も行っています。現在は顧客の声を集めて変更していく段階という感じです。そのためできるだけ早く開発しやすいというのを意識しました。

最低限綺麗なコードにはしつつ、厳密なレイヤードアーキテクチャはあえて採用しませんでした。やはりレイヤードアーキテクチャは良い面も大きく、特に後から入ってきた人にはわかりやすいコードになるのですが、一つの機能を作るのに単純に考えることや工数が大きいというのがあります。

また、多くのカミナシのプロダクトは AWS を使用していますが、現時点はフルマネージドサービスを利用しています。具体的にいうと Vercel や Supabase などです。他のチームの方が三日でとあるプロダクトができたと言っていましたが、確かにこれらを使うとプロトタイプを高速で作れるなと思って上手く使い分けています。

実際のプロダクション環境では AWS に移行する予定です。

kawariku:アプリケーション部分はフロントとバックエンドで構成を分けず、Next.js で開発をしています。これによって API を用意せず React の Server Actionsを使い直接 ORM を介してフロントに返すということができます。

なので OpenAPI とかを整備するだとかもなく TypeScript なので型が共有され、爆速で開発ができています。

カミナシのバリュー

ーー 昨年末のAll Hands Meeting はカミナシのサービスもご利用いただいているプリンスホテル様の会場で実施しましたが、その懇親会の時に社員向けにプロトタイプをデモンスレーションされていましたね。とてもスムーズで楽しそうにデモを披露されていたのを覚えていますが、過去にこういった展示会での説明の経験は豊富だったのですか?

ken:はい、自分は StatHack 時代からかなりありました。ビッグサイトでブースを構えて CountAI の説明やチラシを配ったりしてました。

▼CountAIについて

やっぱり展示会でのデモはめちゃめちゃ疲れるんですが、生の声を聞くとより良い改善に繋げられるなと思いますね。最近もお客様の工場に訪問して説明したりも結構やってます。

kawariku:自分は今まで本当に全く経験がなかったです。開発のプロジェクトに参加して、目の前でお客様や他の人に使ってもらうというのが本当に初めてでした。

デモを触る執行役員 VP of HR 松岡と説明するkawarikuさんを代表取締役 CEO 諸岡が見守る図 邪悪なインタビュアー(撮影者)によってデモを触る際はこれを被れと言われ被らされる

なのでカミナシに入ってすぐのタイミングで行かせていただいた現場ではあまりお客様に質問もできずぐらいの状態だったのですが、その経験もあってデモでは色々お話できたと思います。

逆にあえて気をつけたのはあまり説明しすぎないようにしたというのもあります。「触ってみてください」というスタンスにして使ってくれた方が自由に思ったことを言ってくれるし触ってくれるのでとても参考になりました。

自ら作成したデモを説明する ken さんも被り物をすることで注目が集まりインタビューが捗る

それとやっぱり盛り上がった理由は、自分で言うのもなんですがインパクトのあるプロトタイプが作れて、とてもワクワクする力を持ったものになっていたからだと思いました。デモのための説明の準備を頑張ったり、説明をうまくやろうとは時間もなかったので考えられなかったのですが、インパクトのあるプロトタイプのおかげでいっぱい質問してくれてめちゃめちゃ現場ドリブンな時間になって楽しかったですね。

広い会場の一角がエンジニアたちのデモブースとして大盛り上がりでした

ーー めちゃめちゃ盛り上がりましたね!その現場ドリブンという言葉はカミナシのバリューですよね。現場ドリブンだなと思えたエピソードはありますか?

ken:いっぱいあります。別のプロダクトを作っていた時、工場訪問に行くととても巨大だなって感じる時があったんですが、その中で自分の作ったプロダクトがその工場で使われて動いている時、その巨大なものの一つになって動いてくれているんだ、一つの歯車として工場を動かしているんだと感じて感動したことがあります。

それと、詳しくは言えないのですがある工場に行ったら出荷先が書いてある伝票を見て、それが自分の研究先である大学のキャンパスに出荷されていることがわかったんですね。社会全体にとても貢献できている感があって、こういうのも現場ドリブンだなって思いました。

kawariku:自分は入社オンボーディング期間中、1週間に2回行くことができたんですが、何も工場のことを知らなかったので話も全然ついていけなかったのですが、やっぱり行ったおかげで何度も思い返したり同僚と話していると 5W1H で説明できるぐらい解像度が上がって、前のめりに開発に入れるようになったのがとても大きいと思いました。ほんと現場ドリブンって大事だなと思いました。

CTO の toricls さん曰くカミナシに join してから Mision / Vision を本当に自分ごと化できたと思えるまで半年から1年かかったとのことなんですが、現場ドリブンのおかげでオンボーディング期間の1ヶ月で自分ごと化できたと思っています。

ーー わかります!私もお客様の商品が YouTube や SNS で褒められていると誇らしい気持ちになります。

ken:めちゃめちゃわかります!現場に愛が湧くんですよね。

日常では僕らは接点がなく開発に集中しているんですが、現場訪問を通じて現場の人たちと接点が持てるので、その人たちやその商品を愛せるようになるというのは大きいですよね。

kawariku:その人たちに貢献したくなるんですよね。両者 WIN-WIN 感というか。

なので日常生活の視野が広がったと思います。これ僕らのプロダクトで改善できるんちゃうんかなのと考えるようになりました。

ken:カミナシのテーマが身近なのがいいですよね。

kawariku:おっちゃんとかが使ってくれているみたいなのを作りたいですね。大阪住まいなんで商店街とか近くにあるし、そういうところに貢献していきたいですね。

カミナシでエンジニアキャリアを歩むことについて

ーー エンジニアとして、カミナシのここが特徴的で面白いなというエピソードやポイントはありますか?

ken:色々話してきたように、自分で作ったものが社会で活躍するよという点ですね。

それと、CS や営業の方もエンジニアに寄り添ってくれるというのがいいところだと思います。かつてエンジニアが言いなりになって作らされるだけの現場も見たことがあるのですが、カミナシだと両者納得する形で進められるので、僕らの提案するが通るというメリットがあって、それが人や企業を喜ばせることもできるというのが特徴だと思います。

流れてきた仕様を実現するというのとは違う楽しみがありますね。

kawariku:カミナシはサービスとかプロダクト思考が高めなエンジニアが多いのかなと思います。

受託との比較になりますが、どういうプロダクトにしたい?という話は受託開発だと起きにくく、あの技術やこの技術がいいみたいな話が比較的多くなるかなと思います。開発生産性を上げるという話が結構多いですね。

カミナシだと「この日訪問行きたいです」というのを言えるし、言うというのが他の会社でもなかなかない気がするんですよね。訪問に前のめりなエンジニアも多いです。

あとは技術の話で言うと、良し悪しあるかもですが、現時点でカミナシとしての技術選定がマルチプロダクトを進めていく中でプロダクトごとにまだ柔軟で、Remix を使うこともあれば React だけでやったり、あるいは僕らみたいに Next を使うだとか、会社としてカチッと決まりきっていないので、技術的な最善手を選ぶこともできると言うのが特徴的かもしれません。

ーー 今後どういう方と働いてみたいと言うのはありますか?

ken:スキルレベルとかより、心の底から開発が好きで、私も土日とか個人の開発とかを趣味でやってしまう人間なんですが、そういう開発を楽しいと思っている人と働きたいです。

kawariku:自分は今カミナシのフロントエンドを盛り上げたいなと思っています。なのでフロントエンドお祭り人間みたいな人が入ってきたら嬉しいですね。(笑)

そして自分も ken さんと同じく開発楽しいと思ってる人と働きたいというのもありますが、コードをとにかく書きたい人より、プロダクト開発をしたい人と働きたいですね。

カミナシの iima さんはコードをとにかく書きたい人らしいんですが、コードをとにかく書きたいから他のこともめっちゃやるっておっしゃってました。

ーー 本日はありがとうございました!

(写真・インタビュー:カミナシ プロダクトデザイナー 髙橋伸弥)

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