【イベントレポート】カミナシ セールスNight開催 ~エンタープライズ開拓のためのFSとISの連携とは~
カミナシnote編集部です!今回はイベントレポートをお届けします。
2024年12月13日、カミナシオフィスにて「カミナシ セールスNight」を開催しました!
このイベントは、急成長するSaaS企業のセールス現場で直面している、さまざまな課題に対し、解決の糸口を探るきっかけとなれば!という思いで企画したものです。
セールスマネージャーやリーダー、セールスパーソンが一堂に会し、ナレッジやノウハウを交換しながら互いに高め合う場として、30名近くの参加者にお集まりいただきました。
今回のテーマは「エンタープライズ開拓のためのFSとISの連携」。エンタープライズのターゲット設定から商談獲得方法、フィールドセールスとインサイドセールスの日々のコミュニケーションまで、幅広いトピックについて活発な議論を交わすことができました。
今回のnoteではその内容について、一部ハイライトではありますがレポートしていきます!
エンタープライズセールスならではの特徴と課題とは
メインスピーカーは、エンタープライズセールス渡邊と、エンタープライズ領域のインサイドセールス小林が務めました。また、会の終盤にはエンタープライズ領域を管掌しているCRO宮城もカミナシの今後のエンタープライズ開拓戦略について解説しました。
まず渡邊から、エンタープライズセールスとSMB(Small and Medium Business)との違いについて、自身の経験を交えながら話しました。
最も大きな違いは意思決定の構造にあります。SMBでは使用者と決定者が同一であることが多いのに対し、エンタープライズでは使用者、評価者、決定者が明確に分かれています。この違いは商談の進め方に大きな影響を及ぼすそうです。
「7〜8回の訪問を重ねても受注に至らないケースが続いた時期がありました」と渡邊は当時を振り返ります。エンタープライズでは複数の意思決定者の承認が必要となり、商談が長期化する傾向にあります。さらに、商談が進んだ段階で突如として反対をされる方が現れるリスクも高く、これらの要因が複雑に絡み合って案件を難しくしている、ということを当初は理解できていなかったとのことです。
成功の鍵を握る「Champion」の存在
このような課題に対する対応策として、渡邊が強調したのが「Champion(チャンピオン)(※)」の存在です。チャンピオンとは、単なる社内の支援者以上の存在を指します。プロダクトに対する強い興味と理解を持ち、自発的に社内展開を推進してくれる人物であることはもちろん、より重要なのはEconomic Buyer(決裁権者)への影響力です。
「その方がチャンピオンかどうか?の判断で最も重視しているのが、決裁権者とのコネクションの強さです」と渡邊は説明します。①決裁権者のスケジュールを把握し、②役員会議の予定調整ができる立場にあるか、③決裁権者と直接的なコミュニケーションラインを持っているか、といった点が、重要な判断基準となります。
興味深かったのは、チャンピオンかどうかを判断する際の超実務面でのポイントでした。一定以上の役職や強い向上心といった要素に加え、「メールの返信スピードを重要な指標としている」という点は、多くの参加者の関心を集めました。「返信が2〜3日後になる方は、いくら他の条件が揃っていても、チャンピオンである可能性は低いと考えています」という踏み込んだ具体的な言及もあり、参加者からも大きな反響があったように感じます。
インサイドセールスの戦略的アプローチ
小林からは、特にエンタープライズ領域における役職者へのアプローチについて知見を共有しました。
「役職者の方へのアプローチは確かにハードルが非常に高い。」という言葉から始まり、具体的なアプローチ方法として紹介されたのが、企業の中期経営計画や決算資料の情報なども活かした「Why You? Why Now?」の構築です。
「先方の経営者は株主がいらっしゃいますから、中期経営計画や決算資料に書かれていることは、株主に対するコミットメントなんです。そこに書かれた課題に対して解決策を提案できれば、必ず検討いただけます」とのこと。 この手法は、外資系企業でのキャリアを持つ小林が、セールスフォースのイネーブルメントチームから学んだものだといいます。当初は1企業の分析に1時間ほどかかっていたそうですが、経験を重ねる中で効率的に抽出できるようになったとのことです。
また、アプローチの方法も戦略的に設計しています。例えば、青い封筒を使用した手紙での接触を起点に、電話やメール、SNSなど複数の接点を組み合わせていく手法です。「受付の方との最初の会話でも『先日お送りした青い封筒の件で』と具体的に伝えることで、一般的な営業電話との差別化を図っています」という工夫も印象的でした。
役職者へのアプローチは確かに容易ではありませんが、だからこそ準備と工夫を重ねる価値があるというメッセージは、参加者の多くの共感を得ていたようでした。
サプライチェーンを活用した独自の展開戦略
宮城の発表で特に注目を集めたのは、サプライチェーンを活用した展開戦略でした。例えば、当社の導入先の1つであるセブン-イレブン・ジャパン様での導入実績を基点に、弁当やおにぎりの製造会社、さらには包装容器メーカーや物流会社へと展開していくような事例です。「業界内でのつながりは想像以上に密接です。ある企業での成功事例が、取引先企業への自然な展開につながっていきます」と宮城は説明します。
この戦略の強みは、単なる横展開以上の価値を持っています。製造、包装、物流と、サプライチェーン全体でカミナシを活用することで、より効果的な品質管理や効率化が実現できるからです。「お客様同士のコミュニケーションから新たな案件が生まれることも少なくありません」という言葉からは、有機的な事業展開の可能性を感じていただけたのではないでしょうか。
組織の壁を越えた連携の実現
イベントの後半では、インサイドセールスとフィールドセールスの連携について、具体的な取り組みを共有しました。
カミナシでは半年前、フィールドセールスとインサイドセールスそれぞれのチームからエンタープライズ領域を独立させました。この改革の背景には、従来のThe Model型がエンタープライズ領域では必ずしも最適ではないという気づきがあったからです。
特に注目すべき変更点は、インサイドセールスとフィールドセールスを「一つのチーム」として再編成したことです。これにより、両者のより有機的な連携が可能になりました。
具体的な取り組みの一つが、週1時間の定例ミーティング(フォーキャストミーティング)の実施です。このミーティングでは、単なる案件の進捗確認にとどまらず、以下のような価値ある取り組みが行われています。
フィールドセールスからインサイドセールスへの具体的なフィードバック
成功事例・失敗事例の詳細な共有と分析
商談獲得後の進捗状況の共有
チーム全体での受注予測と戦略の立案
「インサイドセールスのメンバーが、フィールドセールスの予算達成を自分事として捉えるようになりました」と小林は変化を語ります。実際、インサイドセールスのメンバーが顧客訪問に同行したり、地方出張に参加したりするなど、従来の役割の枠を超えた協力体制が築かれています。
また、評価指標の見直しも行いました。従来のような商談獲得数だけでなく、受注に対する貢献度合いも評価項目に加えています。「どのインサイドセールスが獲得した商談が最も受注につながっているか」といった分析を行うことで、質の高い商談創出にも注力できるようになりました。
これにより、少人数のエンタープライズチームが下手をすると商談が溢れてしまいかねない状況の中、インサイドセールスチームが柔軟にフィールドセールス的な動きもしながら、全体最適を目指して活動することもできているとのこと。
さいごに
セッション後の懇親会では、より踏み込んだディスカッションが参加者間で展開されていたように感じました。事後のアンケートでもポジティブな声を多くいただき、業界全体のレベルアップにつながる有意義な場となったのではないかと思います。
以上、イベントレポートでした!
今後も定期的にこのようなナレッジ共有の場を設け、SaaSセールスの最前線で奮闘するプレイヤーの生の声を聞き、同じ職種同士で繋がり会える貴重な機会を企画をしていければと思います!
おまけ
カミナシのエンタープライズチームは、まだ生まれたばかりで急成長中です!プロダクトも今年1→4つに増えマルチプロダクト化が進み、2025年にも新たなプロダクトが続々とリリースされる予定です。
そんなビジネスの超変動期にある中で会社の売上を牽引するべく、エンタープライズチームでは仲間を大募集中です。ご感心がある方はぜひお気軽にコンタクトしてください!